歯石取りやPMTCという歯科衛生士などの専門家が行う歯石除去処置などの予防歯科は保険でできる。歯石を取り除くことを、スケーリングという。スケールとは魚のウロコのことで、魚のウロコを剥がす要領で歯石を取り除くのだ。歯石は、軟らかい歯垢が石灰化したものだ。これは、岩のようなものなので、歯石自体の病原性はそう大きくはない。ただ、歯石がつくと歯の表面がザラつき、いろいろな細菌の強固な構造体であるバイオフィルムというものをつくってしまう。そのため、歯石を取り除く必要がある。歯垢を放置しておくと数日間で、細菌がバイオフィルムをつくってしまう。
歯垢とバイオフィルムは虫歯と歯周病の原因になる。目に見えるところでは、歯の表面のエナメル質に歯石はくっついている。 エナメル質はツルツルの状態なので、器具を使うと歯石は簡単に剥がれる。歯石は歯茎に隠れた部分にもできる。その歯石はバイオフィルムの温床となり、歯茎の病気を引き起こしてしまう。そこで、歯根を探って歯石を見つけ、歯石を、こびりついたバイオフィルムごと取り除くことが必要だ。
バイオフィルムを取り除く方法が PMTCだ。これは専用の器械を使う歯面クリーニングである。PMTCは、数十年前に開発されていて、 ヨーロッパやアメリカでは多くの人が定期的にPMTCを受けている。しかし、日本では受ける人は僅かである。それは、啓蒙活動が不十分なのと、保険制度で予防が十分にカバーされていないのが原因だ。
本来、虫歯・歯周病対策は3ヵ月に 1回程度のPMTCが必要だ。しかし、日本では受ける人はわずかでしかない。このことが、日本人の歯が悪い大きな原因となっている。厚生労働省は予防は自費で、といっている。しかし、予防をしないと虫歯、歯周病は防げない。歯科医も消極的ではあるが、保険でやっている歯科医は少なくない。

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保険でする歯科治療 その1
投稿日:2019年2月19日 更新日:
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