口内の骨折や癌など、大がかりな手術は大学病院などで行うことになるが、抜歯は上手な歯科医であればどこでも可能だ。小帯と呼ばれるスジを切って、舌の動きを良くする舌小帯切除、根の先の病巣を取る歯根端切除や嚢胞摘出、骨の出っ張りを取って入れ歯の具合を良くする骨癌除去、膿蕩切開、歯周病を改善するための歯周外科などの外科手術は、保険でできる。ただし、インプラント手術は保険適用外になる。
口が開きにくい、口を閉じたときやものを噛むときに痛む、顎がカクカクするなどの症状は顎関節症である。耳の穴から少し前のところに指を当て、顎を動かしてみて、そのときに動く部分が顎関節だ。顎関節症とは顎関節および筋肉が不具合になる病気である。顎関節症は少々扱いにくいもので、治療法も千差万別であり、歯科医の判断が必要だ。顎関節症の治療法としては、例えば、スプリント(マウスピース)、開口訓練、マッサージや湿布、習慣や癖を修正する行動療法などだ。
顎関節症の原因にはいろいろある。とくに問題になるのが、ストレスによる食いしばりである。これは、ストレスの原因を突き止め、自傷しないようにするために、心理療法の行動認知療法を行い、1~2週間だけ痛み止めを出す。これで多くの人が良くなるが、それでも治らない場合にはマウスピースを使用すると、1~2週間で症状は取れる。そうしたらマウスピースは外しても良い。なお、このマウスピ ―スは保険で入れられる。後は、無理をしないこと。口を大きく開けないとか、長時間噛まないとか、硬いものを噛まないとか、ガムを噛まないとか、ほお杖をつかないとか、痛いほうの顎関節を下にして寝ないとか、顎関節症になりやすい習慣をやめるといったことになる。保険治療でやって良い場合と、保険治療では良くない場合があることも確かである。

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保険でする歯科治療 その5
投稿日:2019年3月19日 更新日:
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