普段は特に意識していなくても、生命維持のための重大な働きを口は担っているでしょう。それは「呼吸」です。酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出す仕組みの「呼吸」は私たちの生命活動の維持には欠かすことができません。「呼吸」は主に鼻でしている事が多いですが、同様に口でも呼吸することができます。鼻から吸い、口から吐き出す呼吸法は健康維持のための効果も期待できるとされ、健康法としても人気でしょう。しかし、口呼吸にはデメリットもあるようです。口で呼吸する事により唾液が蒸発してしまい、唾液中の酵素の働きが悪くなってしまう可能性があるようです。こうなってしまうと、口から侵入して体に悪影響を及ぼす微生物が繁殖しやすい環境となってしまい、健康維持が難しいと考えられているようです。口で呼吸する事により唾液が蒸発すると、口内が乾燥します。つまり、口内の粘膜自体が脱水症状を起こした状態になり、抵抗力が下がってしまいます。熱中症をイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。口腔内の抵抗力が下がると同時に、プラークも乾燥してこびりつき、取り除くのが困難になってしまいます。これが原因で、細菌が活発に活動できる環境になり、歯周病が悪化してしまうと考えられるでしょう。口のみでの呼吸は、多くは行わないほうが良いでしょう。口腔環境については歯科医院などで指導を受けたり、いつも治療してくれる歯医者さんに直接質問してみると良いでしょう。寝ている間の口呼吸など、意識して行えない場合などには、寝室の空間全体の加湿や、マスクなどを活用し、上手に口内環境を整えるよう気をつけましょう。また、風邪などの際にも同様の対策をすると、早い回復を期待できるかもしれません。