抜歯後の歯の補修には、5つの方法がある。
まず、インプラントにする方法。これは、顎の骨にインプラントを埋め込み、そこに冠をかぶせるものだ。これには、1本1本インプラントにするものと、インプラントを2~4本埋めた半固定式の入れ歯にする方法とがある。保険がまったく利かず自費治療のため高額になるが、半永久的に使える。
次は、ブリッジにする方法。これは抜けた歯の両隣の歯を削り、3本またはそれ以上つないでかぶせる治療法だ。これは、保険がきく場合がある。しかし、両隣の歯を削る必要があり、冠をかぶせるのでいくら精密につくっても、冠と歯との境にはミクロン単位の段差ができてしまうので、これが原因で歯肉炎や歯周病になりやすくなる。
そして、入れ歯を入れる方法。抜けた歯が多くなると、ブリッジで固定する方法は無理だ。そこで、取り外し式の入れ歯ということになる。残っている歯を金属でひっかけ、歯がない部分に歯茎に密着したプラスティックの床をつくり、その上に人工の歯を載せる方法だ。保険治療と自費治療がある。保険でつくった場合は、入れた感じに異物感が残る場合がある。ほかにも欠点はいくつかある。
また、親知らずなどを移植する方法がある。これは、一部の歯科医しか施術していないが、抜歯時に奥の親知らずを持ってきて移植する方法だ。インプラントせずに。義歯を植えることができる。これは、できる条件を満たしている場合に限られるが、保険が利くのでお得な方法ではある。
最後に、放置したままというのもあるが、歯が抜けたままにすると、抜けたすき間を埋めようとして、抜けたところに向かって後ろの歯が傾き倒れてくる。また、噛み合わせが悪くなり歯が抜けたり伸びてきたりする。